2022.10.20
不動産取得税減税【買取再販業者向け】には増改築等工事証明書が必要
目次
再販物件を販売するにあたり、中古物件を購入した場合の不動産取得税が負担になってしまい物件確保を躊躇してしまう・・・。不動産取得税を軽減させる方法はないものか。
このように悩んでいませんか?
不動産取得税は建物や土地を購入取得する際に課税される税金ですが、増改築等工事証明書を発行し、特定要件を満たすことで建物の不動産取得税が減税され約15~20万円が還付されます。
不動産取得税減税の軽減は、買取再販業者にとって建物購入者への優良リフォーム物件を数多く提供できるようになり、結果として販売拡大へとつながる足掛かりとなるものです。
そこで今回は不動産取得税減税に関してお話しします。また不動産取得税を減税するために必要な「増改築等工事証明書」についても説明しますので、どうぞ最後までお読みください。
買取再販における不動産取得税減税措置とは
買取再販業者は中古物件の建物・土地を購入しリフォームの後、建物購入者へ販売しますが、建物・土地を取得する際、不動産取得税が課税されます。しかし、取得した建物を一定条件でリフォームしたことを証明する「増改築等工事証明書」が発行されることで不動産取得税が減税されます。
さらに、平成27年4月1日開始の制度により5年以内に遡り取得した物件でも増改築等工事証明書が発行可能となり、不動産取得税が還付を受けることができます。
増改築等工事証明書の発行により、不動産取得税が軽減されれば、買取再販業者は中古住宅の取得への負担が減り、購入者へ良質な「買取再販住宅」を提供できるため中古住宅市場の活性化にもつながり、販売業者の利益確保や業務拡大を促すことにもつながることでしょう。
不動産取得税減税措置に必要な増改築等工事証明書とは
不動産取得税の軽減申請に必要な増改築等工事証明書とは、建築確認不要のリフォーム工事を行った際の工事証明書を言います。
増改築等工事証明書の発行機関は、指定検査機関もしくは事務所登録をしている建築士事務所となります。
【増改築等工事証明書発行機関】
- 建築士事務所登録している事務所に属する建築士
- 指定確認検査機関
- 登録住宅性能評価機関
- 住宅瑕疵担保責任保険法人
増改築等工事証明書は「不動産取得税減税」、「住宅ローン減税」、「固定資産減税」など、様々な制度で必要となりますので、必ず取得するようにしましょう。
買取再販不動産取得税減税対象となる必須要件
買取再販による不動産の軽減対象には必須要件があります。
【必須要件】(建物)
- 土地・建物取得者が宅地建物取引業者であること
- 譲渡する住宅の床面積が50㎡以上~240㎡以下
- 昭和57年1月1日以降に新築、または耐震基準を満たしている
- 買主が自ら住む
- 買主への引渡しが取得後2年以内
- 住宅取得時で築10年以上(人が居住していた住宅)
- リフォーム工事が300万円以上、または建物売却価格(再販時)の20%以上
- 1~6号工事費用合計が100万以上、または耐震補強・バリアフリー・省エネ50万以上
- 宅地建物取引業者が平成27年4月1日から令和5年3月31日までに取得した住宅
不動産取得税減税措置に係る「土地」についても申請条件があります。
上記、要件を満たす建物の敷地として宅地建物取引業者が住宅とともに(同日)に取得した土地であることや「安心R住宅」であること、既存住宅売買瑕疵担保責任保険に加入していることが主な条件となります。
取得土地についての不動産取得税減税詳細につきましては「国土交通省HP」にてご確認ください。
買取再販不動産取得税減税対象の必要書類
買取再販不動産取得税減税(軽減)の申請には特定書類の用意が必要になります。
【必要書類】
- 家屋登記事項証明書
- 再販時(譲渡先の個人との)の売買契約書の写し
- 増改築等工事証明書
- 不動産取得税減額等申請書
※1~4は必須となります。
- マンションは謄本で部屋番号が確認できない場合:買主引っ越し後の住民票の写し
- 耐震基準適合証明書・住宅性能評価の写し等
(昭和57年1月1日以降の新築家屋は除く)
- 瑕疵保険証券写し(給水管・排水管等・雨水侵入防水工事に係る場合)
1~4は不動産取得税減税申請に必ず必要となり、5以下は適用される場合のみの提出となります。
不動産取得税減税に関し、ご不明な点がありましたら弊社へお尋ねください。
不動産取得税減税申請の流れ
買取再販住宅の不動産取得税減税申請の流れは再販業者が対象物件を取得してからスタートします。
【不動産取得税減税申請から還付まで】
- 再販業者が対象物件を取得
- 一定のリフォーム工事(増改築等工事証明書を必要とする工事)
- 個人に販売・契約・引渡し
- 不動産取得税減税申請(還付までの期間は約1~2ヶ月)
- 取得税の還付
再販業者が対象物件を取得から個人への販売までの期間は2年以内となります。また、不動産取得税減税申請期限は建物の場合5年以内で土地は2年以内となりますのでご注意ください。
増改築等工事証明書の発行で不動産取得税を減税しましょう
買取再販業者にとって、中古住宅の取得は土地・建物両方に不動産取得税が課税されるため、販売価格に影響したり、販売利益も圧縮されます。しかし、増改築等工事証明書発行により、不動産取得税の還付がされれば中古住宅の取得費用の負担を軽減できます。
また、増改築等工事証明書を発行をすることで、建物購入者であるお客様の住宅ローン減税期間を10年から13年へと拡充できる証明書もあり、買取再販業者にとっては購入者メリットとつながり販売促進にもつながります。
増改築等工事証明書の発行で不動産取得税減税や住宅ローン減税拡充を実現し、更なる販売へつなげ再販利益の確保と顧客目線での販売促進を目指しましょう!